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夜尿症(おねしょ) ② 

今回は夜尿症の治療についてご説明したいと思います。 

目次 

  1. 実際の治療の進め方 
  2. 生活指導 
  3. 薬物療法 
  4. アラーム療法 
  5. 宿泊行事対策 
  6. 夜尿症の向き合い方 

実際の治療の進め方 

まずはご家族の方より夜尿の状況を聞き取り、尿検査や血液検査などを実施して夜尿症か他の病気が疑われるかを評価します。 

夜尿症と診断された場合、まずは生活指導を行い夜尿に改善がみられるか確認します。
改善がみられない場合は、薬物療法やアラーム療法の開始を検討します。 

生活指導 

基本的には、生活改善に取り組むことからスタートします。
生活指導によって、2〜3割が改善すると言われています。
2週間〜1か月程度の期間、以下の項目をポイントに生活改善を実施します。 

  • 早寝、早起き、規則正しい生活を心がける 
  • 水分の摂り方に気をつける 
  • 日中は水分をしっかり摂り、夕食後の水分はコップ1杯位にする 
  • 塩分を控える 
  • 便秘に気をつける。便秘がある場合は先に治療する 
  • 寝る前に必ずトイレに行く 
  • 寝ているときの寒さ(冷え)から守る 
  • 夜中に無理にトイレに起こさない 

生活習慣の改善と夜尿の有無を日々記録してください。
この生活習慣改善日記を参考にすることで、より適した治療を行うことができます。 

薬物療法 

生活習慣改善と経過観察では改善しない場合に、はじめて薬物療法やアラーム療法を検討します。
生活習慣改善日記を参考にして治療方針を相談しながら決めていきます。 

抗利尿ホルモン薬(デスモプレシン) 

夜尿症の薬物療法の第一選択薬です。 

尿を濃縮して尿量を減らす薬剤です。
ミニリンメルト®(デスモプレシンの商品名)を内服します。
口腔内で溶けてなくなる、ラムネのような錠剤です。
ミニリンメルト®には、120μg、240μgの2種類があります。最初は120μg製剤から開始します。
治療効果をみて同量を継続するか、増量するか、中止するかを判断します。
寝る1時間前に服用することが推奨され、服用の2〜3時間前から翌朝までの水分摂取量は、コップ1杯程度にするようにします。 

抗コリン薬  

膀胱の緊張を和らげ、収縮を抑制して尿をためやすくします。 

製剤として、 オキシブチニン(ポラキス®)、トルテロジン(デトルシトール®)、プロピベリン(バップフォー®) 、 ソリフェナシン(ベシケア®)などがあります。
抗利尿ホルモン薬やアラーム療法で改善が乏しい場合や、膀胱型の夜尿症に対して使用されます。 

三環系抗うつ薬 

抗利尿ホルモン薬や抗コリン薬では十分な効果が得られない場合に補助的に使われます。 

漢方薬 

体質や症状に合わせて、最適なものが選択されます。
小建中湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、抑肝散などがあります。 

アラーム療法 

アラーム療法とは、パンツに小さなセンサーをつけて、尿で濡れるとアラームが鳴ります。
夜尿を起こした時にお子さんを覚醒させることがいわゆる「訓練」になり、最終的に夜尿を起こす前に自分から覚醒してトイレに行けるようになることを目指す治療です。
有効率は70%前後とされていて、再発率が低く副作用の心配がないというメリットがあります。
ただし、ストレスなく続けるためには保護者の方のサポ-トが重要になります。
また、治したいというお子様の意思も不可欠です。
そのため、開始のタイミングを十分に検討する必要があります。
アラーム療法の機械は購入またはレンタルする必要があります。 

アラームを製造している企業は 

などがあります。 

宿泊行事対策 

お泊まり行事の直前は、お子さん自身が一番不安を感じています。
お子さんが自信を持って宿泊行事に参加できるよう、温かいサポートが必要です。 

宿泊行事まで1ヶ月未満の場合 

生活指導を行うとともに、学校の先生に「夕食後の水分摂取の制限」「就寝前のトイレ」のほか、他の子と別室での就寝などをお願いします。 

宿泊行事まで1ヶ月以上ある場合 

生活指導に加えて、薬物療法を並行させます。
また、宿泊行事まで1ヶ月未満の場合と同様に、学校の先生に各種対応をお願いします。 

季節によって宿泊行事対策のポイントが違ってきます。
当医院にご相談ください。 

夜尿症の向き合い方 

治療の一環として大切なことは、夜尿症である子ども本人の気持ちを大切にしてあげることです。
周りから見て夜尿症のことを気にしていないように見えても、朝起きた時に夜尿があると誰でも落ち込むのは当然のことです。
夜尿症の治療ではそんな子どもの気持ちに共感し励ますことが非常に重要です。
そして、治療を頑張れた時やうまくできた時などは思いっきりほめてあげることが子どもの自信と治療へのモチベーションにつながります。 

夜尿症の治療の基本は「起こさず、焦らず、怒らず、ほめる、比べない」です。 

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