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起立性調節障害(OD)②
起立性調節障害は、適切な診断と治療、周囲の理解によって、少しずつ症状の改善を目指すことができます。
目次
1.起立試験とは?
2.起立性調節障害の治療とは?
3.起立性調節障害のこどもに保護者ができることは?

1.起立試験とは?
症状からODが疑われた場合、身体の診察や検査を行い、ほかに基礎疾患がないことを確認します。次にODのタイプを決定する「新起立試験」と呼ばれる検査を行います。横になって安静にした状態から立ち上がり、一定時間、血圧や脈拍、心電図がどのように変化するかを測定します。立っているときのめまいや気分不良なども確認します。
この検査の結果から、ODには基本的に以下の4つタイプに分類します
- 起立直後性低血圧
- 体位性頻脈症候群
- 血管迷走神経性失神
- 遷延性起立性低血圧
2.起立性調節障害の治療とは?
まず、生活指導、次に薬物治療を追加し、必要に応じて心理・行動面でのアプローチも併用していきます。
1)生活指導
起立はゆっくり時間をかけて
横になった状態や座った状態から急に立ち上がると、脳の血流が不足します。数十秒かけて段階的に、頭を低くしながら、足、上体、最後に頭を起こし、ゆっくりと立ちあがるようにします。また立っているときは足踏みをする、つま先立ちをする、足をクロスにするなど足を動かすことが有効です。
生活リズムを整える
日中動かずに横になってばかりいると、症状は悪化するばかりか、治りも遅くなります。倦怠感が強くても、無理しない範囲でなるべく起きて過ごすようにしましょう。
十分な睡眠時間と睡眠リズム、つまり早起き、早寝を心がけましょう。
暑さには注意
気温が高いと末梢血管を拡張させ、発汗による脱水もあり、症状が悪化します。
運動
特に朝夕と数十分程度の散歩がおすすめです。
食事・水分
塩分の多い食事(1日10〜12gを目安)、水分(1日1.5〜2リットル、1時間に1回コップ一杯の水)摂ることが重要です。
2)薬物治療
生活指導でも症状が改善しない場合、メトリジンと呼ばれる、血圧を上げる薬を使います。ODのタイプや症状によって、投与量や内服タイミングを調節します。生活での注意点とともに、しっかりと継続していくことが欠かせません。さらに必要な場合には、心拍を調節する薬や漢方薬などを追加することがあります。
3)学校での配慮
ODは身体の病気です。しかし、その他に、ストレス、家庭・学校環境、人間関係といった要素が多分に関わっていることは少なくありません。自律神経の調節能力が不足しているODでは、ちょっとしたストレスで強い身体症状が現れます。ODでは、午前中に症状が強く出ることがあります。遅刻や欠席が増えたり、体育の授業や長時間の立位がつらくなったりする場合には、学校の先生や養護教諭に病気について理解してもらうことも大切です。
必要に応じて、遅刻・早退、保健室の利用、体育活動などについて、体調に合わせた対応を学校と相談していきましょう。
3.起立性調節障害のこどもに保護者ができることは?
ODは、こどもの努力不足や保護者の育て方が原因で起こるものではありません。まずは、「起立性調節障害を正しく理解する」「子どもの気持ちに寄り添ってサポートする」ことが大切です。症状が続く場合や学校生活に支障がある場合には、「このくらいで受診していいのかな」と迷わず、当医院にご相談ください。
当医院では、症状や生活の様子を一緒に確認しながら、その子に合った治療や生活の工夫を考えていきます。
「頑張れない」のではなく、「今は頑張ることが難しい」状態なのかもしれません。
こどもの「つらい」というサインを大切にしながら、ご家族だけで抱え込まずいつでもご相談ください。